いい人生にするために

私は中学、高校、大学と柔道をやってきました。
それなりに頑張ってきたのですが、今から思えば練習にムラがあり、やり方によってはもっと強くなれたのではないかと思います。
勉強は高校時代が一番よくやっていたのですが、大学でももっと本気で勉強できたはずです。

社会人になって、ほかの人たちよりも多少はよく頑張った方ではないかと思うのですが、それだって今から思えば随分ムラがあり、ムダな時間をいっぱい使ってきました。
例えば晩酌が習慣だったのですが、そのあと何をするでもなく、ウダウダと詰まらないテレビを見て思いっきり勿体(もったい)ない時間の使い方をしてきました。

20代、30代で、もっと戦略的な人生計画を立てていたならば、あんな詰まらない時間の使い方はしてこなかったと思います。
私は28歳で不動産会社を始めたのですが、それなりに頑張ってきたものの、どこかで方向を間違えてしまいました。
60歳になる前に、その方向の修正をやっと行うことができ、今は自分の生き方に満足しているし、自信もあります。

メンター(師匠)がいると、方向がブレずに、目標達成への時間も短縮できます。
メンターや良き師匠と出会うのは、その人が持つ「徳」であって、人生を斜めに見ていたり、普段から憎たらしい口をきいていたり、やるべきことに手を抜いていたりしたならば、決してそういった幸運は飛び込んできません。

自分の人生を良い方向に変えてくれる人を「貴人」というのだそうです。
私は今まで2人の貴人と出会いました。
矢内正一先生と鍵山秀三郎先生です。
矢内正一先生は関西学院中学部の部長(校長)をなさっていたのですが、私が出会ったのはわずか2時間。
その2時間で「ぼうっとした中学生(私のこと)」が180度変化し、ビックリするくらい勤勉になったのですから、その「教育力」のスゴさが分かるというものです。

「貴人」との出会いは意図してできるものではありませんが、自分の意志で行うことができる、それに近い方法があります。
それは良書に親しむこと。
その気になって読めば、人生の恩人ならぬ「恩書」と間違いなく出会うことができると思うのです。
本もまた人生を良い方向に変えてくれる絶大な力を持っています。