フランクフルトへの旅 その9(最終回)

空港の見学自体も結構面白かったのです。
書店もあったのでいくつか本も買いました。
ドイツ語か英語の本なのですが、読むのに根気がいりそうです。
「日本に帰ってから、こんな本を読む時間と気力があるだろうか?」とちょっと疑問に思ったのですが「いま買わなければ、きっと後悔するに違いない」という気持ちのほうが強かったので6冊ほど購入しました。

空港を後にして、また電車でフランクフルト駅に戻りました。
ホテルに向かう途中、カイザー通りでお寿司と中華料理のブッフェスタイル(食べ放題)のお店がありました。
普段はお昼抜きなのですが、お腹もすいていたのでこれをディナーとすることにしました(つまりもう夜は食べない)。

予想以上にかなり美味しいのです。
繁盛しているはずです。
ドイツ語でビールを注文しました。
何せ私のドイツ語は「中華料理店専用」なのです。

ドイツ人はみんな英語で話してくるので、つい英語で答えてしまいます。
ドイツまで来ているのに、ドイツ人にドイツ語で話す機会はなかったのです。
いま私は日本で、どちらかというと英語よりもドイツ語の学習に、より多くの時間を使っています。
そのドイツ語が中華料理店専用ではちょっと寂しいではありませんか。

ただ街中でみる看板やポスター類は、何が書いてあるのかほとんど理解できます。
せっかく15年間もドイツ語を勉強してきたのだから、ここでやめるわけにはいかないのです。
ましてやこの上、フランス語まで始めると法螺を吹いている身であるのです。
ただ実利的には英語を極めたほうが役に立つというのは、どうやら間違いがなさそうです。
ちょっと寂しい…。

ドイツの田舎へ行けば事情は全然違うのかもしれませんが、ここフランクフルトでは、半分くらいはドイツ人以外の外国人と出会う感じなのです。
移民で成り立っているアメリカなら違和感はないでしょうが、ドイツには本来のドイツ人がいるわけで、やや違和感があります。
このままマイノリティが人口の半分以上を占めるという事態も起こってくるかもしれません。

朝のホテルのレストランに来る人を見ると、8割が外国人(ドイツ人ではない人)で、東洋系やアラブ系が目立ちます。
それどころかホテルのウェイターをやっている人たちも外国人が多いのです。
今日会った外国人のウェイターは英語は話せたのですが、何とドイツ語が出来なかったのです。
そうなるとドイツのホテルの中でも私のドイツ語は使えず、やっぱり「中華料理店専門」でいくしかないということになってしまいます。