中国問題

中国の政治体制や経済は徐々に「死に体」に向かっていると思うのですが、なかなかシブトイことも事実です。
ある中国通の人が「いっぱい矛盾があるけれど、中国という混沌とした『何でもあり』の社会では、いつの間にかそれらの矛盾が溶けて混ざってしまい、結局はそのまま行くのではないだろうか」と言っていました。

確かにそのような面もあるかもしれませんが、歴史的に見て、何度も王朝が変わってきたこともまた事実であります。
来年2015年ぐらいになると、今の体制が崩壊していく兆候がハッキリと見えてくるのではないでしょうか。

中国人民軍というのは中国共産党の「党の軍隊」であり、国軍ではないのです。
人民軍の主人はあくまでも共産党のはずなのですが、共産党が人民軍の意向を無視できないところまで、軍が力を持ってきたように感じます。
昔から中国には軍閥というのがあり、中央の命令を聞かない軍事勢力が地方に存在していました。
中国には7つの軍区があるのですが、それぞれに軍閥化してきているのではないかと思えるのです。

中国では“もはや”シビリアンコントロールが効いていないのではないかという事例が散見されます。
7つの軍区の軍隊がそれぞれに勝手な動きをし出すと、北京政府にそれを抑える力があるのかどうか?
中国では軍自体がホテルやレストランを経営したり、輸出入を独自でしたりしているとのこと。
武力だけでなく、経済力だってあるのです。

中国で今危惧されているシャドー・バンキングには、地方政府だけでなく、軍も深くかかわっているようなのです。
シャドー・バンキングは日本で言うとノンバンクのようなものです。
日本のバブル崩壊の時、ほとんどのノンバンクは潰れました。
そして日本経済は長い冬の時代へ突入していったのです。

中国のシャドー・バンキングだって、潰れると中国経済全体への影響は相当大きいものがあるはずです。
しかし北京政府の中には、あえてシャドー・バンキングを潰す方向に持って行き、軍の力を削ぎたいという意向の持ち主もいるのです。
経済を犠牲にしても、党の優位を保とうという考え方です。

中国は「党」と「軍」と「人民」とのせめぎあいのような様相を呈してきました。
中国における人民の力の源泉は暴動です。
人権をあれだけ無視されれば、暴動しか解決の手がないのかもしれません。

政治的にも経済的にも、今の中国からは距離を置いておくのが正解だと思うのです。
早く中国から撤退したい企業も少なくないのですが、そう簡単には撤退できない仕組みになっているのが頭の痛いところ。
歴史的に見ても、日本は中国大陸と深くかかわらない時代の方がよかったような気がするのですが、いかがでしょうか?