社員数が50名ぐらいまでの会社の場合、税引き前利益が5,000万円を超えると、悪い意味ではなく、その会社の社長は自信満々になります。
不動産業の場合、大手も進出しないような地方都市で、ダントツのナンバーワンの会社にそういったところが多く見受けられます。
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人口15万人の日本海側の街でナンバーワンのU社もその例外に漏れません。
U社の社長のUさんも勉強会で昔から知っている人なのですが、一倉定先生や鍵山秀三郎先生など、互いに尊敬している人が共通していています。
Uさんの話をセミナーでお聞きし、改めて勉強になることが数多くありました。
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U社は今までコスト削減を目指したことはないそうです。
これは一倉定先生の教えでもあるのですが、コストを下げたために収益の大事なところがいくつもなくなるということは、往々にしてあることなのです。
コストを下げる代わりに、ムダをなくす姿勢を貫いています。
それは何かと言うと「前始末(まえしまつ)」。
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前始末とはひと言で言うと「整理・整頓・清掃」ということになります。
スライドで写真を見せてもらったのですが、確かに清潔感溢れる、透き通ったような店舗でした。
照明も明るく、これならダサイ地方都市だと、圧倒的なナンバーワンになるに違いないと思いました。
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敷地面積が約300坪で建物面積が50坪の、2店舗目となる大型店舗を最近オープンしたのですが、そのオープンに際しテレビCMまでしているのです。
私がお客であっても、間違いなくそのお店を選ぶはずです。
U社は次に店舗を出す場合でも大型店を出したいとのこと。
人口が減っても、ビジネスチャンスは十分にあると見ているわけです。
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U社長いわく「会社の実力の差はそんなにない。実行力と実行率が差を作っていく」とのこと。
ナンバーワンの会社でも掃除が行き届かないところが間間(まま)あるのですが、U社は完璧。
「環境整備はすべての活動の原点」との信念があります。
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就業規則で人材が育つのではなく、社風が人を作るわけです。
そして社風は環境整備によってつくられます。「いい家風」や「いい校風」というのがあるように、当然「いい社風」もあり、いい社風の会社には「いい社員」がいて「いい仕事」をするのです。