仕事に打ち込み、日本を救う

先日、ある不動産の勉強会に参加しました。
その日のテーマは「相続」。
相続には必ずと言っていいほど不動産がからむので、不動産業者としては必須アイテムでもあります。
勉強会のメンバーは、みんなよく勉強しているので舌を巻きました。
少なくとも平均的な不動産業者のレベルを遥(はる)かに超えています。

41歳の不動産経営者の人と隣の席になりました。
「不動産店のオヤジとしてはこれからも食べて行けると思うけれど、50歳になるまでの10年間に何らかのプロフェッショナルになりたい」とのことでした。
「何らかのプロ」が「相続」なのか「不動産活用」なのか「賃貸管理システム」なのか、あるいはもっと別のものであるのかは分かりません。
しかし何かの専門家になっているかどうかで、その後の人生が大きく違ってくることは間違いありません。
行列のできる不動産屋になれるかどうかの分岐点でもあります。

10年間本気で打ち込んでいけば、どんな分野でもかなりのレベルに達するのではないでしょうか。
わずか10年なのです。
しかも10年なんてすぐに過ぎてしまうのです。
本気で打ち込むに値する10年であることは間違いがありません。

自分のやっている仕事をお座なりにしたりバカにしたりしていては、その道のプロになれるわけがありません。
プロを目指す努力と工夫がないと、日々の業務が面白くないのです。
当然、幸せになれるわけがなく、いい人生になりようがないのです。
プロとしてまわりから当てにされると、もうそれだけでその人からオーラが出てしまいます。
自分の与えられた業務に精通するということが、人生成功への鍵でもあるわけです。

おカネを汚いものだと嫌っていては、おカネからも嫌われます。
豊かさを愛さなければ、豊かにはけっしてなれません。
マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で明かされたように、自分の職業に対する誇りから近代資本主義が生まれました。
同じように石田梅岩二宮尊徳上杉鷹山の精神から日本の資本主義が生まれたのだと思うのです。
石田梅岩らの思想は実に自然体なのです。
誰もが今日から実践できることばかり。
日本人の心を蝕(むしば)みつつある悲観的経済観を、日本的資本主義の精神で吹き飛ばしてしまいたいと思うのです。