不動産市況 その1

賃貸住宅の空室は、この20年間増え続けているのですが、それには「低金利」が大きく影響を与えているようです。
金利が低いと、借りるより買った方が安い場合が少なくありません。
従って賃貸から持ち家への動きがよく見られます。
また低金利だと、賃貸アパートやマンションが建てやすくなります。
金利が供給を後押ししているわけです。
いま全国で空き家は800万戸あると言われています。
空室率が全国で一番高いのは大阪で17%もあります。

オフィスの需給でバランスが取れているのは博多駅周辺ぐらいで、あとはかなりオフィスが余っている状態です。
東京ですら、かなり厳しい状態が続いているようです。
不況の影響もあるし、供給過多でもあります。
東京では今も大型ビルの供給が続いています。
普通なら余っているものは作らないのですが、ビルは余っているのに作っているという不思議な現象があります。

高層オフィスビルや超大型ビルが完成すると、その周辺の大型ビルからテナントが移動し、大型ビルには周辺の中小ビルからの移動があります。
利便性が悪かったり、古かったりする中小ビルは、今後ますます苦戦するということになります。

商売を始める人より廃業する人の方が多いということもあるし、海外へ向かう企業も多いわけです。
またインターネットが発達し、店舗やオフィスがそんなに数多くいらなくなってきた現象も見逃せません。
「店を構える」のは、コストの負担も大きいのです。

旅行代理店なども、どんどん店舗を減らしていっています。
全国で書店の数はドンドン減っているのですが、大型店化が進み、逆に店舗面積は増えているのだそうです。
百貨店も構造不況産業です。
ネットで買えるため、一人一人が百貨店へ行く回数も減っているのではないでしょうか。