四季報をチェックして その2

上場会社の創業者の中には、若い頃から私が直接知っている人も何人かいます。
共通して言えるのが、その誰もが「ムチャクチャ仕事ができる人」。
中には「不動産業界の天才」と呼ばれている人もいます。
しかし今はいずれも債務超過
「継続疑義」の会社もあります。
継続疑義とは「いつ潰れてもおかしくない」という意味。
前回のファンドバブルの後遺症なのかもしれません。
こういったことを見るにつれ、経営とは一体何なのだろうと思うのです。
自分の会社を上場させる必要はないけれど、地道に息長く「いい仕事」をやっていくべきだと、改めて思った次第です。

今回「会社四季報」や「日経会社情報」に目を通してみて、利益は出しているけれど(従って配当利回りは高いけれど)、財務内容がヒドイ会社も結構あることに気がつきました。
不動産業や製造業や商社は、概ねバランスシートが悪いですね。
不動産業でも、ビル賃貸業などをやろうと思うと、途端に財務内容が悪くなります。
製造業でも工場を建てたりすると、借り入れが増えざるを得ません。
しかしメーカーであっても、有利子負債がゼロで、豊富なキャッシュを持っているところがあります。
そういうところは歴代の社長が立派だったのでしょう。
マスコミには余り取り上げられない(つまり派手さはない)けれど、私はそういった会社の株を買おうと思っています。

ワンちゃんのテレビCMで大人気の携帯会社のB/Sは、普通で言えば「ビックリするぐらいヒドイ」のですが、大きな利益を出しています(この会社の経営手法は毀誉褒貶があることで有名なのです)。
B/Sがシッカリしていないと、横波が来た時に経営が大きく揺らぐのです。
大きな横波が2つも来れば引っくり返ってしまう危険性もあります。

財務内容が非常に良く、また業績も好調な会社でも、配当利回りが低い株があります。
これは逆に言えば、株に人気があって買われ過ぎ、割高になっているわけです。
私のようなインカムゲイン派は、いくら業績が良くても、配当利回りが低いと手が出せないのです。
そういった数字のほかに、私が株購入の原則にしていることがあります。
それは「知らない株は買わない」と「自分が好きでない会社の株は買わない」。
これは株投資における“けっこう”大事な要素だと思うのです。