現在の不動産市場

いま関西圏で賃貸の部屋が6万室空いているとのことです。
需要が弱いこともありますが、低金利によって賃貸物件がたくさん供給されたことも、需給のバランスが崩れた原因の一つです。
同じく低金利によって、賃貸より購入の方が経済的負担が少ないケースがあります。
特に新築分譲マンションはローンが借りやすく、つまり買いやすいというわけです。
賃貸に住んでいる人が、新築分譲マンションに移転すると、またもや賃貸物件に空きが出るということになります。

居住用賃貸物件の空きも多いのですが、それ以上に多いのがオフィス用空きスペース。
特に中小オフィスビルは厳しさを増しています。
オフィスビルや貸店舗は、史上空前の空室状況かもしれず、銀座でも1万坪もの店舗が空いているのだそうです。
銀座の高級クラブがなくなっていっていると聞くのですが、私はそういう所にはほとんど行ったことがないので、状況はよく分かりません。
ある上場企業は年間12億円の賃料を支払っていたのですが、社員を減らしオフィスを移転したところ、家賃が2億円になったそうです。
つまり賃料だけで年間10億円ものコストダウン。
10億円もの利益を生み出そうとしたら、どれほどの売り上げを上げなければならないか…。それが賃料だけで10億円が浮いてくるのです。

しかしながら東京ではオフィスはまだ作り続けられています。
金利で建築費も安い今は、ある意味では「絶好の建築どき」かもしれません(ただし建てた後の活用が保障されていればの話ですが)。
新築ビルはIT環境やセキュリティが充実していて、使い勝手もいいので賃料さえこなれていれば人気があります。
古いビルから新しいビルへ、二流のビルから一流のビルへの動きは今後も続くと思われますが、その分二流・三流のビルは空きが多くなるという次第です。
中小ビルオーナーで、借入れの多いところは実に大変です。