観光を考える その3

いま地方の産業というのは、4つしかないのです。
農業と行政と公共事業と、人口規模に見合った商業のみ。
地方へ行くと、立派な建物は役所とパチンコ屋のみというケースが少なくありません。
以前に四国のある街に行ったのですが、そこの最大の「産業」は老人介護施設だと地元の人が言っていました。

人口が縮小すると、明らかに経済も縮小します。
1人が使うおカネは年間124万円なのだそうです。
つまり人口が1人減ると、124万円の消費が減るのです。
そこで観光でヨソからお客さんを呼んできて経済を活性化したいという発想が生まれます。

いま東京の墨田区ではスカイツリーのおかげで、すごい数の人が集まっています。
スカイツリーを見に来る車で、コインパーキングが満車なのだとか。
まだ建築中でこれだから、完成しても当分見ることは出来ないのではないかと思います(3時間待ちなどザラではないでしょうか)。
これなど全国からだけでなく、間違いなく海外からも観光客を呼ぶことができます。

1964年以降初めて、日本人が自由に海外に行けるようになりました。
同じようなことが、中国を始めアジアで起こっているのです。
アジアは日本に近い。
この人たちをいかに上手く受け入れていくのかが、観光にとって重要な課題でもあります。

地方都市の場合、ひとことで観光と言っても、なかなか人が集まりません。
また一時的に集まっても、それを継続させるのは至難の業です。
個別事業者が一人で頑張るのも極めて難しく、
途中で燃え尽きてしまう人も少なくありません。
また行政だけでもムリなのです。

観光協会を株式化したり、NPOにしたりしているところもあるそうです。
観光で盛り立てていくためには、それをマネジメントする人がどうしても必要なようです。
ここでもやはり経営力が問われるわけです。
2014年が宝塚歌劇100周年にあたります。
「観光街づくり」という意味においても、わが宝塚においては、ここが一つのポイントになるように思います。