中国経済を見る その5

中国の自動車産業は、昨年は政策的支援もあって対前年比30%増の売上だったのですが、今年は10%アップぐらいにとどまるのではないでしょうか。
そうすると30%アップを前提にして構築した設備投資や販売網が大きな負担になってきます。
今まで「成長の神話」によって隠されてきた不満や不安が、景気の悪化により一挙に顕在化する可能性があります。

中国の場合はこれが暴民化へとつながるリスクがあります。
あるいは不満を外に吐き出すために、外国との紛争や戦争が考えられます。
中国は公表している軍事費の3〜5倍を、実際には使っていると推測されます。
予算を軍事費ではなく土木事業費として計上していたり、軍自体がビジネス事業を行っていたりするからです。

中国軍はある意味、いま自信満々なのではないでしょうか。
ひょっとしたら「オレたちは世界一強い軍隊だ」と錯覚しているかもしれません。
政府のシビリアンコントロールが効かなくなっていることにも問題があります。
中国には7つの軍政が敷かれているのですが、これらがかつての軍閥のように、勝手に動き出すリスクがあるのです。

中国の新幹線はガラガラで空気を運んでいると言われます。
こんなことが長く続くわけがないのですが、どうしてこんなことが起こるかと言えば、融資さえ上手くつけてしまえば(例えば銀行支店長をワイロで買収)、作ってしまうまでに関係者に様々な利益があるからです。
完成すれば「あとはどうなろうと知らないよ」という世界。
中国の地下鉄はすべて赤字なのですが、それでもまだまだ作ろうとしています。
これも同じ原理。