過剰流動性相場

世界の過剰流動性が、世界の主要株価指数を押し上げています。
一方、日経平均はなかなか上がらないのですが、これをドル換算すると、驚きの現象が見られるのです。
ドル建て日経平均リーマンショック前の水準(113ドル)を、昨年9月にすでに回復。
今春121ドルにまで上がり、今も年初来高値をつけているのだそうです。
ドルベースでの日経平均と米ダウ平均とは、ほとんど同じ動きをしているとの指摘も。

FRBアメリカ連邦準備理事会)が量的緩和第2弾に踏み切りました。
QE2、時に「クイーンエリザベス2」とも呼ばれています。
すでに「過剰流動性相場」が世界の株式市場や商品市場で見られ、リーマンショック前の水準を超え出しました。
FRBが2011年6月までに、6,000億ドル(約50兆円)の国債を買い取ることで、ドルが市場にダブつくことが予想され、投機資金が一足先に株や原材料の買い付けに動きだしたのです。

1989年をピークとするバブルとその崩壊に、私自身も翻弄されてきたのですが、それだけに「免疫」というか「知恵」もついてきました。
日本はバブル崩壊の先進国なので、もっと自信を持っていいのかもしれません。
例えば不動産の不良資産があるとして、実務的にどうすればいいのかのノウハウが、銀行などにも蓄積されてきました。
1990年代前半あたりは、債権者(銀行)も債務者も、どう解決していったらいいのかが、みんなよく分からなかったようにも思います。

日本はバブル崩壊によって「失われた10年」を経験したわけですが、今回の世界経済不況も、基本的には同じ動きをしていくはずです。
一人中国だけが、高成長を維持しているのですが、バブルが相当危ないところまで来ているように思うのです。
中国の危うさは、バブル崩壊が経済の分野だけにとどまらず、それが国内暴動や軍事的暴発につながる可能性があることです。
国内の不具合から国民の目をそらせるために、軍事的な冒険をしかけてくるリスクは十分考えられ、近隣諸国にとっては迷惑でもあり、また災難でもあります。