書を持って旅に出よう 北京編 その5

街を歩いているうちに「青信号」の渡り方のコツが分かってきました。
要は、出来るだけほかの人たちと一緒にわたることです。
少しでも大きな塊(かたまり)になれば、より安全となるわけです。
ホテルから歩くこと30分、ようやく故宮が見えてきました。
人もぐんと多くなります。
でも上海万博のように何時間も並ばなくていいので助かります。

故宮は明・清の王朝を通じての宮廷。
その広大さに、昔の中国の皇帝の威力を感じました。
行けども行けども、また新しい建物が出てくるのです。
ここは中国全土からの「お上りさん」も多く、明らかに田舎から出てきたと思える団体さんも数多く見かけました。
話す言葉を聞いていると、明らかに「中国標準語」ではなく、さまざまな中国語が飛びかっていました。
中にはイスラム系の中国人団体も見かけました(ウイグル自治区からでしょうか)。
故宮に来た人はみんな、その広さにも疲れるし、人の多さにも疲れてしまうのではないかと思います。

故宮の中で、けっこうゴミが散乱している場所があります。
世界遺産だし、中国が世界に誇る観光資源のはずなのに、ちょっと幻滅。
北京の街の中でも「マナーを向上させよう!」的なスローガンをいたるところで目にするのですが、運転マナーを始め、世界の一流都市と比べると「まだまだ」の感があります。

天安門広場故宮のすぐ前にあります。
何十万人が集まれる広さがあります。
ここに入るためには手荷物検査が必要です。
たかが広場に入るために、手荷物検査があるというのも、やはり天安門広場は一種の政治的なシンボルだからでしょう。
毛沢東による中華人民共和国の設立宣言もここで行われました。
1989年の天安門事件もここで起こりました。
ある意味では、この広場を支配するものが中国を支配すると言ってもいいのかもしれません。