酒飲みを反省

江戸時代後期の観想学者の水野南北は、運のいい人の共通点、あるいは運の悪い人の共通点を徹底的に調べました。
そこで出た結論が「食が運命を左右する」というものです。
もっと言えば「少食が開運を導く」。

体育会柔道部だった私は、早食いと大食いのクセがどうしても直らなかったのですが、2年前に過労で入院してからは、今まで人の3倍食べていた量が、ようやく人並みになりました。
食べる量が減ると、必然的に体重も減るわけで、要は「食べなければ太らない」という、ごく当たり前のことを、今さらながら発見したという次第です。

伝統的な和食を中心にし、肉類は出来るだけ食べないようにもしています。
食の方は量・質ともに、まずまず上手くいっているのですが、飲む方は全然セーブできていません。
家で「キリン一番搾りビール」と「銀河高原ビール」並びに「サントリーウィスキー山崎」を交互で(もしくは一緒に)飲んでいます。

たまに外で気が合う仲間と飲むことがあるのですが、気持ちが乗り出すと“けっこう”酒飲みになります。
おとついは久しぶりに飲みすぎました。
若い時のように記憶が飛んだり、前後不覚になったりすることは、さすがにありませんが、飲み過ぎると翌日は心身ともにこたえます。
ということで、きのうは反省の日々を過ごしておりました。
飲み過ぎた次の日は、もう一生酒などやめようと思うのですが、次の日にはほとんど忘れていることの繰り返しです。

清水の次郎長は侠客の世界に生きていたにもかかわらず、74歳の天寿を畳の上で全(まっと)うしました。
次郎長は死ぬ間際に、自分が天寿を全うできた理由を2つ述べたそうです。
一つは山岡鉄舟と出合ったこと。
山岡鉄舟は剣と禅の達人で、幕末に活躍した人です。
もう一つは何と「禁酒」。
次郎長は23歳で博徒になったのですが、それを機に酒をピタッと断ったのだそうです(矛盾しているようで不思議ですが)。

次郎長は約50年間禁酒を貫いたわけですが、私はきのう以来1日以上禁酒が続いています。
95歳までバリバリの現役で頑張るなどと言いながら、お酒を飲み倒していてはいけないのです。
少食、禁酒、勤勉でいくのも悪くはないのですが、もうそうなると仙人か修行僧の道しか残っていないような気もして、やや躊躇(ちゅうちょ)しておるところであります。