ある決断

ある重要な決断を伴う案件をずっと考え続けていたのですが、ほぼ結論が出ました。
一番決め手になったのが「わが社の3年後の姿」。
いま決断しないと「3年後の姿」が見えないことに気づきました。
決断したことにより、デメリットも当然出てくるとは思うのですが、それを超えるハッキリしたイメージの方を優先したわけです。

時代が変わり、経営環境が変化しているのに、小手先の対処ばかりしていては将来性がないのです。
ここは一つ腹をくくって大転換してみようと思いました。
「不動産サービス業」から「不動産活用業」への変身を目指し、その拠点を、来店に期待する「店舗」から、知的生産基地としての「オフィス」のコンセプトに変えようと考えたわけです。

決断するまでの気持ちの揺れは相当大きく、不動産を始めて買う時と同じような心の揺れでした。
10日ほど考え続け、ようやく結論が出ると、その後はそれに関するアイデアが次々と湧き出てきました。
峠を過ぎると、あとはけっこうスムーズです。
特にお風呂に入っている時や、寝る前のベッドの中でどんどんアイデアが出てくるものだから、メモを取るのが大変です。

仕事とは行動力だと思っていたのですが、熟考することは、それ以上に大切なことだと分かりました。
案件の大小にもよりますが、結論はそう簡単には出ないのです。
今回は10日ぐらいで決断できたのですが、モノによっては何カ月も考え抜かなければいけないこともあるのかもしれません。

案件を考えている間は、苦しかったというより、どちらか言うと楽しくワクワク感がありました。
今までの事業に何かを付け加えようとか、新しい事業を始めようといったプラスの決断よりも、今までの事業を取りやめようといったマイナスの決断の方が難しいように思います。
しかし「マイナスの決断」の時の方が「プラスの決断」の時よりも、大きな効果をもたらすことが多いようにも思います。
事業や組織は出来るだけシンプルにし、シンプルにして余ったエネルギーを、お客様サービスに回したいものだと思うのです。