自分が生まれ落ちてから、一度も経験したことがないことに出会うとビックリしてしまいます。
阪神大震災などは、文字通り天地驚愕の出来事でした。
経済でも同じことで、バブル崩壊の後、初めて銀行なるものが潰れた時は「こんなこともあるのか」と驚いたものです。
銀行や保険会社などは潰れるわけがないと、思い込んでいました。
ソ連邦の崩壊で、企業どころか国家だって潰れることを知りました。
*
パソコンは社会の基盤を根底から変えました。
既存の事業や業務や職種の存在意義すら問われるような革命がいろんなところで起こりました。
そして今なおその変革が続いています。
キリスト以前・キリスト以降で西暦が成り立っているように、パソコン以前・パソコン以降で時代が違ってくるように思います。
パソコンだけだと単に計算機や文章作成機の延長のような側面があるのですが、これにインターネットが加わると、産業革命以上の大変革が進行中ということになります。
*
今まで通用していたビジネスモデルがあっという間に時代遅れとなるだけでなく、変革への足手まといになる例をしばしば見てきました。
例えば家電メーカーが、圧倒的な代理店販売網を構築していたのに、今や販売の主流が量販店やインターネットに移行してしまい、それらの代理店網がかえって足を引っ張ってしまっているケースなどです。
レコード針で大きなシェアを握り、またブランド力があったとしても、時代がレコードからCDへと移ったとたん、注文がゼロとなった実例があります。
またデジカメだと、今までのフィルムは全く必要なくなりました。
*
今日の王者は明日の王者ではないのです。
最も強いものが生き残るのではなくて、最もよく変化するものが生き残るのです。
自動車は20世紀の王者の産業。
その産業に大変革が来そうなのです。
それは電気自動車。
今のガソリンエンジン車の部品数は3万点。
それが電気自動車になると1万点と3分の1になるそうです。
単純に言えば、自動車産業にかかわる3分の2の企業や人員がいらなくなるということでもあります。
そうなると今は自動車製造になくてはならない部品でも、あっという間にいらなくなってしまう「レコード針」現象が、あらゆる製造過程で起きてしまいます。