世界同時不況の3つの要因

今回の経済危機の要因には3種類あり、まずはアメリカやイギリスやスペインのように住宅バブルが弾けたもの。
不動産の価格が大幅下落し、そこに貸し付けていた融資が焦げ付く事態です。
これなど以前の日本のバブル崩壊と、基本的な構造は全く同じで、日本の場合はどうなったかを見れば、今後の動きはよく分かります。
やはりバブル崩壊後10年ぐらいは、厳しい状況が続くのではないでしょうか。

世界同時不況のもう一つの要因は、やはり何と言ってもアメリカへの輸出が激減したことです。
アメリカへの輸出で成り立っていた製造業は七転八倒
中国でも製造業が減産、もしくは倒産で、失業者が増加しています。
地方へ帰った「民工」が暴動の起爆剤となる可能性もあります。
これが他の国ではあまり見られない中国のリスクです。
ただし中国は「世界の工場」から「世界の消費者」への転換を図っており、アメリカに代わる大消費国が誕生しつつあります。

中国の自動車生産台数が1,000万台を超え、日本を抜いて世界一になりました。
中国の自動車は、今のところ世界に通用するブランドにはなっていないので、中国国内での販売がメインとなるものと思われます。
巨大な需要が存在しているということでもあります。
また奥地の農村では家電製品が十分に行き渡っておらず、内需が拡大する糸口はいくらでもあるように見えます。

世界不況の最後の要因は、主に新興国に多いのですが、海外からの資金(外資)がその国から逃げ出すという現象です。
資金不足に陥っている国から外資が去っていくと、一挙に苦しくなります。
企業でもおカネがなくなるとアウト。
赤字でも会社は存続しますが、キャッシュフローが行き詰ると倒産するようなものです。
これは1997年のアジア経済危機と、基本的には同じ現象。
ハンガリーアイスランドラトビアなどは、主にこの「資金不足」によって、国家破たん寸前の経済危機に陥ったものと考えられます。