シンプル経営

世界経済はデフレが基調となりました。
いつからかというと「ベルリンの壁崩壊」から。
もっと正確に言うと1989年11月9日。
日本人の多くは全く気がつきませんでしたが(むろん私も)、それはバブル崩壊のスタートでもあったのです。
日経平均の最高値は1989年12月29日(余談ながら38,915円)。
やはり市場も分かっていたのです。

ついこの間(2006年ごろ)の不動産のファンドバブルでは、いつバブルが破裂するかをヒヤヒヤしながら見守っていた(もしくは参加していた)人も多かったのですが、失われた10年をもたらしたバブルでは、ほとんどすべての人が「このバブルは永遠に持続する」と錯覚していました。
しかしながらバブル崩壊を3か月前に「不動産バブルが11月に関西方面から崩壊していく」と見事に言い当てた人もいました。
私はそのセミナーを一番前の席で聞いていたので忘れもしません。

ベルリンの壁崩壊が意味するものは「冷戦の終わり」。
つまり大きな戦争は終わったわけです。
戦争のない時代はデフレ。
また共産国だった人たちが資本主義の市場に流入する流れでもありました。
安い人件費と材料の流入
やはりデフレ要因なのです。

日本の高度成長の時代は「増収増益」。
売上も利益も前年を上回るわけです。
企業の目標も「対前年比○%増」。
しかし今はそんな目標は通用しません。
あえて言うならば「減収増益」。
売上を上げようとするには、広告費もかかるし営業人員も増やさなければなりません。
設備投資だって必要です。
でも万一売上が上がらなければ、会社は大きな打撃を受けるわけです。

会社経営のモノサシに「総資本利益率」を最も重視するという経営コンサルタントがいます。
総資本利益率を上げるには、分母の「総資本」のところを削ればいいという考え方には「目からウロコ」でした。
余分な在庫や固定資産を減らせば、総資本は減少します。
メタボ部分をそぎ落とし、筋肉質で動きやすい体質に会社を変えていくわけです。

堅実経営だった地方銀行が、大阪に立派な本社ビルを建てた時から赤字が続いている例があります。
「豪華な本社ビルを建てると会社が傾く」とは昔から言い古されている言葉ですが、その言葉が銀行にも当てはまることに唖然としました。
ましてやヒト・モノ・カネの経営資源に恵まれない中小零細は、シンプル経営に徹するのが一番。
いらぬものを持たない経営、コア事業に集中する経営なのです。
シンプル経営にシンプルライフ
もう完全に方向性は決まりました。