新しい賃貸形式

賃貸市場は供給過多、並びに需要減少で「借り手」市場となっています。
一時随分賃料が値上がりした東京の一流オフィスでも、景気後退のためテナントが流出し、空室率が上昇しています。
もともと市場のパイが小さい地方都市や、東京でも二流、三流の立地になると、なおのこと。
貸ビル業は「左うちわ」という時代は完全に過ぎました。

そんな中にあって、住居系では新しい賃貸形式が出てきました。
家具や生活用具一式を取り揃え、主に短期で貸し出していたのがマンスリーマンション。
ところが最近は、最初からけっこう長期で借りるケースも増えています。
当初は空き部屋に困った不動産会社が、苦肉の策で始めたマンスリーマンションですが、最近はマンスリー専門会社が中心となって運営している感があります。
従って物件の空室対策ではなく、いかにマンスリーとして魅力があるかを基準に品ぞろえが図られています。

「シェアハウス(あるいはゲストハウス)」と呼ばれる賃貸形体も随分普及してきました。
イメージとしては、5LDKぐらいの古い一戸建てを、各部屋ごとに貸していく形式。
つまり台所や食堂や風呂やトイレは共同ですが、各人はそれぞれ鍵付きの個室を持つというものです。
借りる方にとっても一人でワンルームマンションを借りるよりも安く、貸す方にとっても一家族に貸すより高い家賃が取れるというメリットがあります。

シェアハウスは安いので、収入の低いユーザーが多かったのですが、最近は少し高級なものも出てきました。
例えば英語専門のシェアハウス。
英語圏からのユーザーも含めて、そのシェアハウスでの共通語は英語。
英語を学びたい日本人も当然O.K.です。
駅前留学」ならぬ「居住留学」とでも言いましょうか。
海外からの留学生にとっても生活や旅行の情報源にもなるはずです。