「有効需要創出」は投資効率が大事

恐慌、もしくは大不況に突入した時に、ケインズ流の「有効需要の創出」が効果をもたらすと言われています。
有効需要の創出」は単に雇用や事業を創出させるというだけではなく、投資効率が極めて大切であるということが、私自身最近わかってきました。

GDPを作り上げるものは3つあり「個人消費」と「企業投資」と「政府支出」です。
不況に陥り「個人消費」と「企業投資」が大きく後退した時に、「政府支出」の出番となります。
ただ今後の「有効需要創出」は、投資効率の良いもの、即ち利回りのいい事業に絞っていかなければなりません。
今までのように議員の力関係によって、やみくもに予算をつぎ込むということは、もう財政的に許されなくなってきたからです。

日本で投下資本の経済効率が一番いい場所は、やはり東京でしょう。
東京がダントツに発展していけば、大阪始め地方もそれに引きずられていくはずです。
例えば成田から東京中心地まで、大深度地下鉄を通す。
この経済的効果は疑う余地がありません。
当然莫大な資金が必要となります。
こういったものこそ国家的プロジェクが必要なのだと思います。

東京−大阪間のリニアモーターカーも投資効率のいいプロジェクトだと思います。
あるいは東京の大多数のビルの屋上でのソーラー発電化。
石油使用量が一挙に減少するはずです。
今のコストでは、個々のビルの設備設置費用はなかなか回収できないかもしれません。
だからこその国家プロジェクトだと思うのです。

新幹線だって東京オリンピックに間に合わせるために、世界銀行からお金を借りて建設したものです。
今では当然借入もすべて返済し、文字通り経済の大動脈になっています。
投資としては最大級に成功した例ではないでしょうか。

スエズでもパナマでも、タンカーの大型化に伴って、第二の運河の建設が始められているそうです。
これらが完成したら、世界経済にとって大きなプラスとなるはずです。
不況の時は建築費も安く、人手も集めやすい。
日本もこういったときこそ、次の時代への一手を打つべきだと思うのです。