シンプルに「運鈍根」

何かを目指して「いいこと」を続けようと思っても、なかなか長続きしないことが多いわけです。
これはやはりすぐに成果が出ないからでしょう。
成果が出るまでには時間がかかります。
その間我慢が出来るのかどうか。

時間がかかっても、必ず成果が出ることが分かっていたら我慢が出来るのかもしれません。
ならば我慢は「信念」の問題ということになります。
もっと大きな継続は、ひょっとしたら「信仰」にまで結びついているのかもしれません。

野村監督が現役のキャッチャーで、まだレギュラーを取れてない頃、肩が弱いのが弱点だったそうです。
そこで遠投の練習を毎日始めました。
1ヶ月たっても2ヶ月たっても成果が出ません。
3ヶ月でもまだ出ない。
「本当にこんなことを続けていていいのだろうか?」と思いながら、もう1か月続けてみることに。
すると4か月目に、明らかに手ごたえを感じられるようになったそうです。
もし4カ月待たず、途中で止めていたらどうなっていたでしょうか?
三冠王はおろか、野球選手としての野村克也も存在していなかったに違いありません。

いいことにせよ、わるいことにせよ、この世にはタイムラグがあるのです。
会社の業績が絶好調だとします。
少し手を抜く。
全然業績に変わりなし。
もう少し手を抜き、遊びだす。
でもほとんど業績は変わらず。
しかしある時期を過ぎると、あっという間に事態が急変するのです。
会社の場合はたぶん3年。
これは悪い方のタイムラグの例です。

「継続は力なり」は真実です。
凡人が唯一天才に勝てる手段でもあります。
昔から言われている成功の秘訣「運鈍根」の「根」、即ち「根気」の部分でもあります。
ちなみに「運」は神様に愛されること。
一番極限である戦争では「軍」隊は「運」隊だと言われています。
「鈍」は自分の本分を知り、愚直にやり通していくこと。
バブルで一緒に調子に乗っていては「鈍」とは言えないのです。

成果が上がってくるまでのタイムラグを我慢できるのかどうか。
事態が急変悪化するまでのタイムラグの間、いかに早く気がつき、方向を転換することが出来るのかどうか。
難しそうに見えますが、対処は案外簡単。
シンプルに生きていくことにつきます。