落ち着いた世の中へ

新型インフルエンザの影響もあって、いろんなところで経済の収縮現象を感じます。
GDPもいったん大幅に減少するかもしれません。
しかしこれは、今まで華美になりすぎていた生活をシンプルに変えていく一つのキッカケのような気がします。
例えば高級外車に乗るような見栄がなくなっていき、燃費のいい車が好まれるような動きが、国民全体の中から生まれてきつつある兆候ではないかと感じています。

とは言え、会社経営をするからには赤字にするわけにはいきません。
知恵を絞って今までのやり方を変革し、売上が伸びない時期にどう対処するかを考えなければなりません。
バブルの時代は、人並みに儲けなければ自分が無能のような気がしたものです。
しかし世の中が落ち着くと、自分が本当にやるべき仕事が見えてきます。

個人的には腰を落ち着けて勉強できそうなので喜んでいます。
日本には昔から囲碁や将棋や「道」のつく習い事がたくさんあり、お金をかけずに高い境地や深い真理を探究できる文化があります。
日本全体がもう一度そういった方向へ回帰していくのかもしれません。
経済的な豊かさと精神的な高さとが結びつくような世の中になっていく良い兆(きざ)しだと思うのです。

人手が足らなくて外国人労働者をいれなければいけないなんて論議していたのが、あっという間に人手を心配しなくていい時代になりました。
学生だって真面目に勉強するに違いありません。
余計なものが削ぎ落され、日本全体が地に足のついた生活に戻りつつあるのだと思います。
ジャンプの前には一度屈(かが)まなけれいけません。
今はその時代だと思うのです。