ドイツ語人口

ヨーロッパを旅行すると、ドイツ語圏の国はやはりすべてにキチンとしているという印象を受けます。
イタリアなどは時間を始めすべてにルーズで、あまり当てにできないことが多いのですが、ドイツ語圏ではまずそういったことはありません。
鉄道などでも時間通り動くので安心です。
ドイツ人と日本人は物事をキチンと進めていくといった点で、お互いに一目置いているところがあるのではないでしょうか。

ドイツ語はドイツ・オーストリア・スイスで話されています。
ドイツの人口は約8,300万人。
スイスは人口の6割の人がドイツ語を話していて約500万人。
オーストリアは約800万人。
トータルで9,600万人ほどがドイツ語圏の人口と言えます。

ドイツ・スイス・オーストリア以外でドイツ語が多く話される国はどこかというと、ルクセンブルグリヒテンシュタイン
ハンガリールーマニアの東ヨーロッパもドイツ語がよく通じるようです。
ハンガリーのブダベストに行った時は、5人に4人はドイツ語を話せるという印象を受けました。

オーストリア・ハンガリー帝国の名残(なごり)で、自分たちも大帝国を支えた一員なのだという自負があるからではないかと推測しています。
逆にチェコプラハに行った時は、ドイツ語がほとんど通じないように感じました。
チェコはハプスブルグ家の支配下で、ドイツ語が話されていたはずなのですが、アンチ・ハプスブルグの気運も強かったようです。
チェコ出身のカフカの小説はドイツ語で書かれているのですが、当時選ばれた優秀な学生にはドイツ語教育がなされていたからのようです。
カフカもそのエリート学生の一人だったわけです。

北イタリアの南チロル地方や、フランスのドイツ国境に近いアルザス地方などでも、ごく自然にドイツ語が話されているようです。
これらの国以外でドイツ語が話せる人がいる国は、意外なことにアメリカが一番多く600万人。
ドイツ系のアメリカ人が多いからでしょう。
ブラジルもドイツ語を話す人が200万人もいるそうです。
ドイツと南米の結びつきは昔から強く、ナチスの幹部で敗戦後南米へ逃げた人も少なくありません。
フランスでもドイツ語を理解し使える人が120万人。
ということでドイツ語人口は世界各地で約1億人ということになります。