分福の精神

95歳までバリバリの現役で働こうと思っているのですが、案外これは行けそうな気がしています。
ただし毎日毎日があっという間に過ぎ去っていくに違いありません。
今でもムチャクチャ速いのに、年をとればとるにつれ、もっと速くなるはずです。
自分なりの時間対策としては、生活や仕事をシンプルにすること。
会社の事業だってシンプルにすべきです。

シンプルにして「人生の本筋」のみを追うことです。
余計なものをゴチャゴチャ身に付けているから前へ進まないのです。
いらぬことを“あれもこれも”とやろうとするから“ややこしい”のです。
一番やりたいことを、楽しみながらやっていくべきだと思うのです。

人生をシンプルにするには過去も捨てていかなければなりません。
20歳代の元気さはもうないのに、同じような体力が今もあると思うのは愚かです。
株や不動産が過去に持っていた価格が、いつまでも通用すると思うのも愚かです。
損切り」とは過去を捨て去ること。
過去がどんなに栄光に包まれているにしても、今あるのは今の力のみ。
生涯の間、一度も損せずに過ごせる人なんているわけがありません。

「いかにうまく損をしていくか」が、ひょっとしたら物凄く大切なことなのかもしれません。
成功者はその過程で、家族の問題や自分の健康問題など、事業以外のところで「人生の税金」と呼ばれる災難に見舞われることがあります。
人生の達人はこれを避けるため「成功」をまわりの人たちに分け与えながら進んでいくと言います。
ホリエモンが例えば福祉施設などに、自分の資産のごく一部を寄付するようなことをしていれば、逮捕はされなかっただろうと、ある本で読んだことがあるのですが、たぶんそんな気もします。

自分一人が資産を抱えていると、嫉妬の対象になるし、世の中も潤(うるお)いません。
「我もよし、人もよし」の気持ちぐらいが、ムリもないし、ちょうどいいのかもしれません。
世の中の人がみんな困っているのに、自分一人だけが幸せになるなんてことはありえません。
縁あってこの世に生まれたわけですから、この世を少しでも良くしていくべきだと思うのです。
「自己中心の我利我利亡者になるな!」ということでもあります。