投機と投資

竹田和平さんという日本一の個人投資家がいます。
上場会社100社以上の大株主。
四季報」を見ていても、よくお名前が出てきます。
たまごボーロ」などを生産する竹田製菓を経営し、事業でも投資でも成功。
1933年生まれということですから、鍵山秀三郎先生と同じ年です。
そういえば竹田和平さんはイエローハットの大株主でもあるはずです。

その竹田和平さんの「日経ヴェリタス」でのインタビュー記事を読んで「う〜ん」と唸ってしまいました。
要旨は次のとおり。
「今は株価が下がり、利回りが高くなった株が多くなった。投下資金に対し、5%も回る株はざらにある。自分で経営していても5%回らないことがある。ならば優秀な人たちが頑張っている会社の株を買って応援する方がいい」
「株価が高くなったら売ろうというのが『投機』。配当を目的とするのが『投資』」
竹田和平さんは、一度買った株はよほどのことがない限り売らないそうです。
キャピタルゲインを狙うのが「投機」で、インカムゲインを狙うのが「投資」というのは、ひじょうに分かりやすい考え方です。

キャピタルゲインは狩猟型で、インカムゲインは農耕型とも言えそうです。
今まではアメリカ型のハンティング・スタイルが大はやりで「だから日本はダメなんだ」という論調が目立っていました。
アメリカ流の金融工学とやらがインチキだと分かった今は、自信を持って日本本来のやり方を貫いていけばいいと思うのです。
そういう意味では、今回のサブプライム問題から発した金融危機は、日本経済の方向を決めるという、大きな意味があったのかもしれません。

アメリカ一の投資家のウォーレン・バフェットが所有する株もメインは5つほどの会社。
自分が気に入った会社を絞って投資するのがどうも正解のようです。
自分が応援したい会社の株を10年間は持ち続けるつもりで購入。
そして途中でその株が安くなったら買い増すわけです。
どんな株に投資するかは、その人との相性も大きな要因だと思います。

私は掃除が出来ない会社は、どうも気に入りません。
近くに銀行や証券会社などの金融機関はいくつかあるのですが、どこも掃除には力が入っていません。
逆に「モノづくり」の一流メーカーは、整理・整頓・清掃・清潔がなければ、まともな製品ができないので、その点は安心。
金融機関と「モノづくり」の会社とを並べて、どちらが優れているかなどというのは、比べようがないのですが、こと掃除という一点では、圧倒的に「モノづくり」会社の方が優れているように思うのです。
そしてそれはすべてを物語っているとも思うのです。
だから私がもし株を買うとしたら「モノづくり」会社。
常に技術革新への努力を惜しまない会社がいいですね。