大恐慌の研究

1989年11月9日と2001年9月11日は後世の歴史の教科書に必ず出て来る日です。
前者は東西ドイツを分けていたベルリンの壁が崩された日。
そしてその日から2カ月も経たずして、12月25日にソ連邦自体も崩壊したわけです。
後者はニューヨークの貿易センタービルに航空機が突っ込んだ日。
前者は「冷戦の終結」を、後者は「文明の衝突の始まり」を意味します。
それにしても、この1989・11・9と2001・9・11という数字が、何かしらよく似ているような気がして仕方がありません。

同じように歴史上記憶に残る日付として1929年10月24日(木)があります。
曜日まで記憶されている日というのは少ないのではないでしょうか。
暗黒の木曜日」と名付けられているがゆえに、曜日を忘れようとしても忘れられないわけです。
今回のサブプライムに端を発する金融危機には、ひじょうに興味を持っています。
前回の日本のバブル崩壊では、自分も渦中の一人だったので興味どころではなく、文字通り生き残りに必死だったのですが、今回は多少余裕を持って見ることができます。

1929年の10月が大恐慌の始まりなのですが、当時のアメリカの株価を見ても、2ヶ月間でまず40%ほど下がり、ピークの6割に。
それだけでも衝撃ですが、実はそのあと3年ほどかけてジリジリと(というより急激に)下がり、最終的にはピークの10分の1ぐらいまでになっているのです。
前回日本のバブルでも、3年ほどかけて商業地は10分の1の地価になっています。
バブル崩壊のエネルギーが“本気”になれば、それぐらいの下落は平気で引き起こすのかもしれません。

ガルブレイスの本で『大暴落1929』(日経BP)というのがあります。
これはバブルっぽい現象が起きるたびに売れるという超ロングセラーだそうです。
今回私も買いました。
1929年の動きがマクロ・ミクロともにとてもよく分かり、内容自体が大変面白いのです。
これを手始めに本気で「生きた経済」を研究してみようと思っています。
経済を動かしている「意識を持ったエネルギー体」というのが、もしあるとしたら、それがどういう方向へ行こうとしているのか、あるいはどういう意志を持っているのかが、ぜひ知りたいですね。