世界金融危機

世界的な金融危機がやってきています。
金融危機実体経済にまで影響を及ぼしてきました。
資産効果」という現象があり、株や不動産の価格が上がると心理的に経済活動が活発になることを言います。
従って金融危機によって「逆・資産効果」現象もあるわけです。

いつも不思議に思うのですが「株価が下がって損をした」場合でも、必ず反対に「売って儲けた」という人がいるはずなのです。
日本の個人金融資産が1,500兆円あると言われていますが、きっとその中には株や不動産を高値で売却したおカネが入っているに違いありません。
プロや業者や法人が損をし、素人の個人が儲けたおカネを、ほとんど金利がつかない銀行預金に預けているというのが今の実態なのかも知れません。

今回の金融危機アメリカだけでなく、ヨーロッパの銀行にも波及しています。
またそれにとどまらず、中国やロシアなども打撃を受けています。
アメリカのリーマン・ブラザーズAIG金融危機は日本でも大きく報じられていますが、ヨーロッパでも多くの銀行が経営危機に陥りました。
ドイツでも”Hypo Real Estate BANK”(ヒポと読むようです)という不動産金融大手が資金繰り難に陥り、政府が緊急支援するようです。
ちなみに緊急支援のことを英語で”bailout”といい、最近よく見かける単語です。

今回の世界金融危機では、日本の金融機関はほとんど致命傷を負っていません。
15年以上前に大ピンチに陥り、その免疫があったからでしょう。
日本はバブル崩壊の先進国なのです。
前回バブルでは私もプレーヤーの一人だったので、バブル崩壊の心理状態は非常によく分かります。

前回のバブル崩壊は日本だけの問題で、アメリカやヨーロッパは関係ありませんでした。
アジアは多少影響があったかもしれません。
失われた10年」と言われた暗黒の時代を日本は乗り切ってきたのです。
今になって「失われた10年も意味があったのだ」と気がついたしだいです。

今回の世界金融危機は前回の日本のバブル崩壊とそっくりなので、動きがよく見えるような気がします。
TIME最新号では”The New Hard Times”として、1929年の大恐慌の時の写真(銀行から預金を下ろそうとする人々の長蛇の列)が表紙に載せられています。
はたして今回の世界金融危機が1929年の大恐慌と同じようになるのかどうか?
ちょっと本腰を入れて研究してみたいと思っています。