『超「超」整理法』(野口悠紀雄・講談社・1,400円)

仕事が出来る人から学ぶことはたくさんあり、身近にそんな人がたくさんいる職場はとてもラッキーです。
しかしながら中小・零細企業だと、まわりになかなか「出来る人」は見出しにくいように思います。
そんな時はどうするか?
本で知り合うのが一番手っ取り早いように思います。
私にとって野口悠紀雄さんはそんな一人。
今までも書類整理法やインターネットの仕事活用法を、その著書からたっぷりと学ばせていただきました。

今回はGmailの活用法が画期的。
とにかく自分に必要なデータは、Gmailでどんどん自分宛てに送信していくのだそうです。
気がついたら「自分用のデータベースが出来ていた」状態に。
Gmailは容量が膨大で、個人のデータぐらいなら、ほぼ無限に蓄積できると言っても過言ではありません。
またここが重要なのですが、後で必要なデータは検索機能によってすぐに取り出せてしまいます。

パソコン内にデータを蓄積するのではなく、Gmailという外部のサーバにデータを置いておくわけです。
どうもITの流れは、手元パソコンの高性能化ではなく、外部の優秀なサーバの能力を活用する方向に向かっているようなのです。
例えばワードやエクセルを使う場合は、今はまずパソコンにソフトをインストールし、あくまでも手元のパソコン内でコンピュータ機能を動かすわけです。
しかし将来は、パソコンは単に手元で使う端末機としての機能のみで、外部のコンピュータのワードやエクセルのソフトを使いこなすという方向。
ウィンドウズやVISTAなどのOSすらパソコンに取り組む必要が無くなりそうなのです。

メールをパソコン内で蓄積するのではなく、すべてGmailという外部のサーバに置いておき、必要な時だけ“さっと”取り出す。
そうすれば、どこにデータを直したか忘れることもないし、パソコンが故障してデータがどこかに飛んでしまったということもありません。
Gmailの容量は膨大。
しかも無料。
ややこしい手間もいらず、すぐに使えてしまえます。
新しいITの動きによって、仕事のやり方も質も量もガラリと変化する時代に入ってきたことだけは間違いがないようです。