休む時期

株に「買う時、売る時、休む時」という言葉があります。
これは案外、会社経営にも言えることではないかと思うのです。
特に「休む時」というのが大切で、休む時に休まないとドツボが待っている気がするのです。

何が言いたいかというと、前回バブルの時に、明らかに「休む時」(というより休まなければいけない時)というのがあったように思うのです。
「市場は強気でどんどん膨張しているけれど、何か変な予兆がある」のは、実は感じていたのですが、諸事情で休めなかったわけです。
当社の場合は社員数が多すぎ、それを養っていくためには休んでなんかおられない状態でした。
前回バブルではいろいろと反省することも多いのですが、最大の失敗は会社の規模を大きくしすぎたことでした。

バブルが崩壊すると分かっているのに、舵取りがうまく出来ない。
「甘く考えていた」と言えばそれまでですが「会社は急に止まれない!」のです。
社員の皆が「まだまだイケる」と思っている中で、たった一人だけが異を唱えても、大勢に押し切られてしまいます。
その一人が例えトップの人間だとしても、です。

会社というのは規模は大きくなくてもいいから「機動力があって、しかも損益分岐点が低い」のが理想ではないでしょうか。
損益分岐点が低くないと、休まなければいけない時に休めないのです。
前回バブルでも明らかに休まなければいけない時があったのに、勤勉に頑張ったからが故に破滅に向かった状況がありました。
今も世界的に金融や不動産のバブルが崩壊しています。
サブプライムから端を発したわけですが、日本の前回バブルの崩壊とそっくり。
バブル崩壊の先進国に住んでいる人間には、今後の動きがとてもよく見えるのです。
日本は「失われた10年」を体験したわけですが、これから世界的に同じ動きをするはずです。

事業用土地の価格が下がるのが目に見えているのに、いま買うわけにはいきません。
買いたいけれど我慢する。
そういった状況が続いていくはずです。
不動産投資業はお休みの時期。
実需のお客様にしっかりサービスしていくことこそが、今一番求められていることなのかもしれません。