アメリカの社会と経済

息子がかつてホームステイでお世話になった、アメリカの家庭があります。
そこは男の子が3人。
ところが一番下の子は養子だったそうです。
その家庭が今度また新しい子を引き取り、一緒に育てているのだそうです。
白人の家庭なのですが、今度の子どもは東洋系とのこと。

実子がいるのに、ほかの子供を引き取り、家族の一員として育てていく。
こんなことは日本人には出来ません。
私はそこにアメリカの底力(そこぢから)を感じます。
アメリカ社会の根幹を流れるキリスト教のエネルギーは半端なものではありません。
軽薄なアメリカではない、尊敬できるアメリカ。

アメリカは建国200年で瞬くうちに世界一の国となりました。
アメリカ人は「システム作り」の天才です。
ハンバーガーだってITだって、見事にシステム化し、世界に普及させていきました。
だが時として人も国も成功すると傲慢になることがあるのですね。
その傲慢さが嫌われる。

アメリカ社会の問題点は犯罪率や離婚率の高さや、度を過ぎた訴訟社会。
こんなことまで日本が模倣してはいけないのです。
権利意識ばかりが高くなり、自己の権利ばかりを声高に主張する人が増えると、世の中がギスギスしてしまいます。

経済でも日本には日本に合ったやり方があるはずです。
アメリカ経済が持つ柔軟性やダイナミズムは取り入れるべきですが、すべてアメリカ方式がいいというわけではありません。
そのアメリカ経済も、サブプライム問題を発端として苦しんでいます。
私と同じ業界である不動産関連の従業者は、激減している模様です。

金融業界も外部資金の導入によって、生き残りに必死です。
かつては瀕死の重態だった日本の銀行が、今度は助ける側に回っています。
私は日本経済の飛躍を確信している者なのですが、たぶん後から振り返ってみて「ああ、あの時が分岐点だったのだな」と思える出来事ではないかと感じています。