ウィナーズ倶楽部で考えたこと

ウィナーズ倶楽部関西大会で気がついたり、考えたりしたことを書いてみます。

事業的に仲介や建売などのフローを追っている会社は、経営安定化のため、収益物件の自社所有を目指しているところが多いようです。
ただこれもじっくりと増やしていかないと、下手をすれば資金繰り悪化の方向に向かいます。
老舗の強さは、やはりこうした自社収益物件を持っていることでしょう。

買取り仲介を積極的に行なっている会社があります。
買取り仲介のメリットは、普通の仲介よりもやりやすいということ。
デメリットは、楽なので営業マンの足腰が弱くなりがちだということ。
また仕入れの失敗、即ち高く仕入れてしまうことがあるということです。
特に不動産が値下がり傾向の場合は、よほど慎重に進めていかないと、屋台骨を揺るがす可能性があります。

中国はアメリカに輸出超過ですが、日本は中国に輸出超過です。
中国からの輸入より、日本からの輸出の方が多いわけです。
いわば日本企業のお得意様。
その中国がオリンピックを控え、食品不安やチベット問題、それに四川大地震と難問が次から次へと噴き出してきました。
株や不動産の価格も下落しています。
飛ぶ鳥を落とす勢いだった中国経済ですが、オリンピックを境に潮目が大きく変わってきました。
ということは今後の日本経済にも影響は大。

一度は日本の証券市場から離れた外資が、また日本の株に戻ってきている兆候があります。
何といっても心理的には株価が一番大きく作用します。
中国からの実需が減る傾向がある一方、外資によって株が上がる傾向。
景気を動かすファクターが混沌としてきました。
こんな中で中小企業が進むべき方向は唯一つ。
負債を減らし、損益分岐点を下げて、自社の得意技に特化。

売買仲介をメインにしている会社は、賃貸をやめると、事業的に随分スッキリするようです。
あれもこれもといろんなことに手を出さずに、得意技に徹底するのが正しいというのが、こんなことからも推測できます。
ウィナーズ倶楽部のメンバーの中には、大家業がメインだというところがあります。
ところが他の人から管理を頼まれることが多くなり、オーナー業で行くのか、賃貸管理業もやっていくのかの岐路に立っているとのこと。
私なら迷わずオーナー業一本でやっていくと思います。

日本の不動産業界を見た場合、賃貸の方が売買より仕組みづくりが進んでいるように思えます。
賃貸業界には「全管協」や「日管協」のような先進的な組織がありますが、売買業界にはフランチャイズ以外には、これといった組織がありません。
そのフランチャイズ自体にも、そんなにノウハウは蓄積されていないようにも感じます。
パソコンのソフト一つ見ても、賃貸の方が売買よりも圧倒的に進んでいます。
売買を扱っている会社の方が、賃貸よりもたぶんずっと多いはずなのに、これは不思議な現象です。

(つづく)