出版記念パーティーでのスピーチのネタ

『実践コインパーキング事業』(野坂玄司・出口和生・立川正雄・にじゅういち出版・1,400円)の出版記念パーティがあり、私も30分ほど話します。
ブログを活用して、その話のネタを考えたいと思います。
【当社の歴史】
終戦の年昭和20年に、当時消防団の団長だった私の父が、進駐軍労務請負の仕事を始め、そこからだんだんと土建業を営むようになりました。
最後は宅地造成業として、いくつかの大型分譲地を手がけました。
昭和57年に建設業をやめ、不動産業に転業。
いわゆる街の不動産屋として地域密着型の不動産営業を続けています。
最初は売買仲介から始め、途中から賃貸仲介、賃貸管理、駐車場管理などを行い出しました。
建売や建築はほとんどしませんでしたが、分譲地の販売は約100区画ぐらい行ないました。

父の建設業の時代から言えば、創業63年。
私の代の不動産業から言っても、27年の歴史があります。
進化論の要諦は「強いものが生き残るのではない。変化するものが生き残る」です。
当社も建設業から不動産業という大きな変化がありましたが、同じ業種の中でも、事業の内容を変化させていっています。
変化させないと生き残っていけなかったことだけは確かです。

市場の変化に合わせて自社も変化させていかなければなりません。
経営が環境適応業といわれる所以です。
時代の要請や顧客の要望の変化をどう捉(とら)え、どう自社に取り入れるかが経営にとって大きなポイント。
社長はルーティング・ワークから外れ、その一点に絞って決断していくのが、本来の仕事なのかもしれません。

変化するのは外部環境だけではなく、社内も変化していきます。
売上げの不振や事業の失敗、あるいは社員の退社やトラブルなど、さまざまなことが会社では起こります。
また上手く行ったら行ったで、経営者自身の「飽き」・「驕り」・「油断」などが出てきて、会社の危機を引き寄せたりします。
レストランなどは観察していると、オープンしてわずか2年ほどで閉鎖していることが多いのですが、長く続いているレストランでも、人気が出る時期があるかと思えば、具合が悪く評判が落ちている時期があったりします。
レストランの内部でも色々な問題が生じているからです。
会社でも勢いがある時ない時、売上げが上がる時下がる時、評判がいい時悪い時など、さまざまな動きがあります。
【街の不動産店は「累積経営」を】
街の不動産店を取り巻く環境を見てみましょう。
まずは売買仲介。
大手不動産会社のネットワークが大きな力を発揮しています。
たくさんの営業社員を抱え、新聞折込チラシや宅配チラシを次々に投入するやり方です。
このやり方は不動産流通が活発な時は効果的なのですが、いったん逆風が吹き始めると経費倒れになります。

売買仲介はもう既に大手と大手の戦いになっており、街の不動産店のシェアは激減しているはずです。
例外はそのエリアで大手に伍して、ナンバー3ぐらいまでに入っている地域店です。
全国展開での大手ではないけれど、その地域での“大手”と言えるわけです。
ランチェスターの法則的に言えば、どんな小さな不動産店でも、地域を絞ってナンバーワンのエリアを持てばいいわけです。
とまあ、優れた小規模店による例外はあるのですが、基本的には売買仲介市場は大手同士のシェア争い場に化していると言っても過言ではないでしょう。

賃貸仲介もここ5,6年、賃貸専門店が急激に勢いを増してきました。
賃貸専門店によるテレビコマーシャルも多くなり、顧客の方も賃貸の部屋を探すのに、普通の街の不動産店を覗く人は少なくなっているのではないでしょうか。
従ってここでも街の不動産店は苦戦を強いられているというわけです。
唯一例外は賃貸物件をたくさん管理している不動産店。

仲介業と管理業とでは、実は水と油ほど中身が違うのです。
仲介業は狩猟型。
管理業は農耕型なのです。
だから賃貸仲介専門会社は、賃貸管理はむしろ苦手なはずです。
また賃貸管理業自体が、昔のやり方とは様変わりしています。
入居審査や退去立会いや集金管理などがアウトソーシングされ、より専門的になっています。
最先端の管理システムを構築しているところと、そうでもない地方の不動産店とでは、賃貸管理のレベルの差は歴然としています。

と、ここまで書いて残りは次の機会に(出来ればあした)
【当社のビジネスモデル】
【コインパーキングの目利き】
【繁盛コインパーキングは?】