累積経営の勉強に行く

累積経営の勉強に行ってきました。
今日お邪魔したのは、不動産勉強会「ウィナーズ倶楽部」のメンバーのJ社。
社長は大手の売買仲介会社に勤務したあと独立。
街の不動産屋として当初、売買仲介や賃貸管理や賃貸仲介に取り組んできました(よくあるパターンです)。
仕事のほうは順調に進んでいったのですが、今度は人が足らなくなってきました。
これもよくあるパターンです。

自分も売買仲介の会社に勤務し、月初めにはまたゼロから出発しなければいけないのが苦痛だったのが、今度は会社単位で苦しまなければならない羽目に。
どうにもそれがイヤで、累積経営に転化しようと決めたそうです。
賃貸管理も累積経営の一種ですが、それも事業を拡大するにつれ、人が必要になってきます。
人が増えると物件の管理だけでなく、人の管理もしなければなりません。
Jさんはそれが煩わしく、「累積経営」+「脱・労働集約型」路線を歩むことにしました。
管理物件も最小限にし、それにかわる事業としてコインパーキングとコンテナ倉庫を導入。

これらの事業との出会いは東京での勉強会が機縁だったそうです。
今日のお話でも東京へ勉強に行く大切さをウンと力説されていました。
確かに地方で先進的に事業を行ない繁盛している不動産会社の共通点に、東京レベルの勉強をしているというのがあります。
東京での成功事例だけでなく、各地方での成功事例もまず東京へ持ち込まれます。
そしてその情報は、勉強好きの地方の経営者によって、また各地方に持って帰られるという流れなのです。

不動産経営者にとって(不動産に限らないでしょが)、勉強方法とは基本的に3つしかありません。
1. 人の話を聞く(セミナーや会合も含む)
2. 本を読む
3. 東京へ行く(現場へ行く)
私の観察では100社に一社ぐらいが、この3つとも実行しているようです。
私も月に一度、高い会費と高い交通費と宿泊料を支払って、東京での勉強会に参加していますが、そうムダではないのかもしれません。
また面白いことに、勉強好きの経営者は、やはり勉強好きと友達になるのです。
そこからまた新しい情報や刺激が得られるというわけです。

ある公共施設が駅近くの遊休地を有効利用するために、民間に貸し出すことになりました。
そのための公募があり、Jさんも参加したそうです。
借り上げ賃料では他の会社に勝てそうにないので、用途はコインパーキングですが、地域のために「最初の30分は無料」で提案を出したそうです。
そうすると車での駅への送り迎えの人も助かり、近くの商店主たちも大歓迎となります。
最終的にJさんの提案が認められ、そこをコインパーキングとして運営しているとのこと。
また当初懸念していた採算性(なんせ最初の30分は無料)もクリアでき、今は安定した収益が上がっているそうです。
民間会社が30分とは言え無料で貸し出すという、その発想に舌を巻きました。

またコンテナ倉庫は、“こなし”の利かない土地を活用するのに使っているとのこと。
何の用途にも向かないどうしようもない土地でも、コンテナ倉庫ならいけるケースも少なくないようです。
Jさんはコンテナ倉庫の勉強にも、関東方面に視察に行ったそうです。

売買仲介では大手の不動産販売会社どうしでの競争が激化。
街の不動産屋では太刀打ちしにくくなってきました。
賃貸仲介も同じで、賃貸専門店どうしが火花を散らしています。
広告費一つとっても、ネット広告での新しいシステム一つ取っても、街の不動産店一社では、もうついていけなくなっています。
賃貸管理もクレーム社会を反映して、社員への負担が大きくなってきました。
どう考えても「累積経営」・「脱・労働集約型」・「オーナー側への移行」しか生き残る道はないように思えるのです。
ただしその中でも扱う商品や事業は、各社に一番合ったものを選ぶべきだと思っています。