石油は金融商品

『石油もう一つの危機』(石井彰・日経BP社・1,680円)によると、原油の値上がりは世界的な需要増というよりは、石油が金融商品化したからだということです。
日本でもファンドの対象となる不動産は、不動産というより金融商品といったほうが的確ではないかという気がします。

増田俊男さんはよく「資本の意思」という言葉を使われますが、じっくりと今後のカネの動きを考えてみる価値はありそうです。
『香港大富豪のお金儲け』(林和人・幻冬舎・1,300円)を読んで「不労所得」がいかに大切かを知りました。
不労所得は智恵の世界でもあります。
本業の「勤労所得」のところも頑張らねばなりませんが、不労所得もおざなりにはできないのです。

『起業の着眼点』(邱永漢PHP研究所・714円)を読むと、その「勤労所得」だって「いかに上手く経営するか」などよりも「いかに儲かる分野を見つけるか」の方が、よほど大切だと書かれています。
いわゆる左脳的「仕事が出来る」能力は、成功の25%ぐらいの要因でしかないのかもしれません。

しかもビジネスの成功が、幸せとイコールにならないのも人生の面白いところです。
ビジネスで成功しても、健康を損なったり、家庭が崩壊したりする例は少なくありません。
だから「真の成功」がとても大事なのです。
真の成功とは宇宙と一体となれる成功。
神様から祝福される成功です。

私自身を振り返ってみると、30歳代は動き回っていました。
その当時の手帳を見直すと、予定がいっぱい書かれ真っ黒です。
しかしバタバタ走り回っていただけで、ビジネス的にはとても成功したとはいえない状態でした。
それどころかバブルの崩壊で大失敗寸前。
40歳代も芽が出ず。
50歳代になって、やっと少し手ごたえを感じることが出来るようになってきたような気がします。

これからの私のビジネス・スタイルは沈思黙考。
資本の意思や世の中の動きを見極めていきたいという思いが強くあります。
セコムの創業者の飯田亮さんが、1日5〜6時間、外部との連絡も遮断し、一つの課題を、時として3ヶ月も考え抜くという話を読んで驚愕しました。

是川銀蔵さんが3年間、仕事もせずに図書館に通い「資本主義は崩壊するのか?」を調べ抜いていた話は有名です。
私もそろそろ、ルーティンワークに束縛されずに、徹底的に考え抜く時間を持たなければいけない時期が来たようです。
ブログ相手に考えながらやっていこうと思います。