求めるより与えるという生き方

安倍晋三さんが総理を辞任しました。
大きな期待を担って登場した50歳台前半の総理だったのに、こういう形で幕を閉じるのはまことに残念です。
ひょっとしたら、国会議員としての安倍さんの政治生命も終わったかもしれません(地方の首長は別ですよ)。

ということは安倍さんにとっては、総理にならない方がよかったとも言えます。
総理にならなければ、存在感のある政治家として、財務大臣外務大臣なども歴任し、もっともっと活躍できていたかもしれません。
人生には、一見成功に見えたものが実は失敗であったり、失敗と思えたものが実は成功だったという例も少なくないようです。
人間万事塞翁が馬

かつての総裁選で、田中角栄氏が福田赳夫氏を抑え、総理になりました。
札束も飛んだと聞きましたが、この時、角栄さんが福田さんに先に総理の座を譲っておけば、ハイパーインフレに苦しんだり、ロッキード事件で刑事被告人になったりはしなかったわけです。
角栄さんは、そののち子分にも裏切られ、体の自由もなくし、おおよそ人間の幸せとは程遠い晩年でした。

夢や希望は楽しみに持っておくとしても、無理やり力ずくで実現させようと思わないほうがいいのかもしれません。
やるべきことは淡々とやっていく。
しかし結果は天に任せてしまう。
過程のところを思いっきり楽しむ。
努力自体を存分に楽しむ。

住むところもあり、食べるものもある。
それで十分に幸せ(松下幸之助さんが仰っているのです!)。
寝ることが出来る、食べることも出来る。
なら、十分に健康。
それ以上何を求める必要があるというのでしょうか?
あとは天から与えられた仕事や役割を淡々と喜んでこなしていくのみ。

全身から力を抜いて一呼吸。
求めるから苦しい。
求めないという生き方。
求めるより与えるという生き方。

求めて与えられるかどうかは相手しだいの話。
つまり受動的。
でも努力の部分は自分しだい。
つまり主体的。
やるべきことは圧倒的な仕事量。
圧倒的な仕事量に集中すれば、諸々(もろもろ)のつまらない不満や悩みは、みんなぶっ飛んでしまうはずです。
だから「さあ働こう!さあ勉強しよう!」なのです。