不動産の動きが変わった

京都で新景観条例ができ、建築物の高さが31mから15mに制限されるようになりました。
フィレンツェプラハのように、京都も美しい街並みが後世に残っていってほしいものです。
しかし不動産関連業界にとっては、大きな影響と混乱があったと思います。

この夏を境に不動産の事業環境が変わったようです。
①買い手が減ってきた。
②業者の転売物件が市場に出てきた。
③銀行の積極的な融資姿勢が変化。
銀行によっては、投資用とリゾートには融資しないところも出てきたようです。

ファンドが買った物件で、賃貸づけが苦戦しているところも多いようです。
「予想家賃」というより「空想家賃」をつけた収支予想表をもとに、売買されていたケースも少なくなく、ここにきてツケが回ってきたようです。

また建築費の値上がりや、建築確認の遅れも、供給に大きな影響をもたらしています。
土地の値上がりや建築費の上昇で供給側の事業環境が悪くなっているところへ、需要の減退。
不動産の大きな流れは変わってきたのです。

東京では新築マンションが価格上昇し、70㎡で1億円というのもザラだそうです。
株価が上昇していると、心理的にも不動産が買いやすいのですが、その反対だと逆の動きになります。
不動産の販売動向は、株の動きや金利の動きに大きく左右されるわけです。

分譲業はひとことで言うと、着工数は多いが販売は進んでいないという状況。
一方、賃貸住宅市場もさらに厳しくなっているようです。
資金繰りが厳しくなった不動産会社の在庫が市場に出てくることも考えられます。
エンドユーザーとの接点を確保していない業者は生き残りが難しくなっていくかも知れません。
またファンドの中にも苦境に立つものが出てきそうです。

ここはひとつ会社の点検を。
経費は膨らんでいないか?
赤字の店舗はないか?
赤字の部門はないか?
広告費は膨らんでいないか?
借入金は適正か?
在庫の見切りも大切。

また事業分野の見直しも。
選択と集中です。
縮小する分野と拡大する分野を決めるべき時期に来ているようです。
いずれにせよ「得意分野への集中」こそ、いま求められている一番大切な課題だという気がしています。