『奇跡のごはん』

deguchi2007-09-09

『奇跡のごはん』(宮成なみ・東洋経済新報社・1,400円)を読みました。
著者自身が難病にかかり、それを食事療法で克服していっているお話。

16歳になったばかりの時に「あなたの病気は、現代の医学では治すことが出来ません。残念ですが社会復帰は無理かと思われます」との医者からの宣告。
同時に「現代の医学では治すことは出来ませんが、唯一、進行を遅らせる方法があります。それが食事療法です」。

発病から14年。
食事療法のおかげで、今は人並みに元気に暮らし、医者からは「奇跡だ」と驚かれているとのこと。
江戸時代の有名な運命鑑定士であった水野南北は「食が運命を変える」と看破していますが、著者の場合は、まさに食に命そのものがかかっているわけです。

高校1年生の3学期、体育の時間
に走っていると急に気分が悪くなり、それが難病の始まり。
ガリガリに痩せていき、皮膚がボロボロになっていく。
風呂場で貧血になり、それを助けに来た母親が、理科室の骸骨標本のような娘の体を見て大ショックを受けたこともあったようです。

入院中の日記にはいつも「フツーの女の子になりたい」や「フツーの恋愛をしたい」など、「フツー」への憧れが、連綿と書かれていたそうです。
そうなんです、フツーのありがたさ。
フツーの生活が出来ることが、実は一番幸せなことかもしれません。

私も結核で入院している時には、「野山の自然の中を、思う存分歩いて見たい」が夢でした。
今はいつでもその夢を実現させることが出来ます。
こんなありがたいことはありません。
阪神大震災
水道や電気やガスが、フツーに使えることの何とありがたいことか。
なのにフツーの生活に戻ると、すぐにそのありがたさを忘れて、イライラしたり、腹を立てたりするのです。

著者が闘病中に出合った本が『幸せな宝地図であなたの夢がかなう』(望月俊孝ゴマブックス)。
自分のやりたいことや夢を一枚のコルクボードに張り出し、ぼうっと眺めていれば夢がかなうという内容だそうです。
さっそく実行しだした著者は、そこからどんどん夢が実現していったということなのです。

この本から「フツーの有難さ」と「夢は書けば実現する」の2つを学ぶことが出来ました。