タックス・メリット

不動産投資の場合、キャピタルゲインインカムゲインとがあるのですが、実はそれに留まらず「タックス・メリット」と呼ばれるものがあります。

 

借金して不動産を購入して相続税を少なくするという方法もその一つです(決してお勧めしているわけではありません)。

 

不動産の特徴として減価償却というのがあります。

 

減価償却は経費ですが、手元から現金が出てきません。

 

その分、キャッシュフロー的にプラスになり、資金繰りが楽になります。

 

減価償却も知らずして不動産投資するのは「不遜」だという気もしますが、最初はなかなか減価償却まで分かって投資する人はいないはずです。

 

サラリーマン投資家用の本を読んでいると、いかに銀行から融資を引き出すかばかりのノウハウで満ちていて、そんなテクニックだけて不動産投資するのは危険だという気がいつもしています。

 

借入れに頼った場合、金利は経費になりますが、返済元金は経費になりません。

 

返済元金がP/Lのどこにも出て来ないことに気がついた時は、イスからずり落ちそうになりました。

 

税引き後利益と減価償却の合計額から返済していくわけで、それよりも返済元金の方が大きいと持ち出しになります。

 

手残りのキャッシュだって、修繕補修費用に積み立てておくべきで、自由にパッパと使っていけるものでもないのです。

 

中小企業経営強化税制で一括償却の制度があり、不動産投資のプロを目指すなら、こういったものも本気で勉強していくべきだと思っています。

 

 

年輪経営

「会社は大きくしなければならない」という思い込みが、私にとっては大きな間違いだったということは、このブログでも何回も書きました。

 

が、「大きくしてはいけない」と言っているわけではないのです。

 

樹木が年輪を刻むように、ゆっくりと、しかし確実に大きくなっていくのは、全然不自然ではないのです。

 

神さまもそういった成長を是とされ、温かく見守ってくださるような気がします。

 

急成長するとバランスが大きく崩れ、そのあと破たんへの道が待っていることが少なくありません。

 

どんな産業でも、ブームのあとの倒産なんて話は、掃いて捨てるほどあります。

 

急成長すると、何よりも経営者自身に奢りが生じるのです。

 

自他ともに「ビジネス界の天才」などと言いだした頃から傲慢さが顔を出し、時間に遅れだし、まわりが見えなくなり傍若無人になります。

 

目指すべきは「年輪経営」なのです。

 

当社の「年輪経営」は「お金を貯めて、コツコツと収益物件を増やしていくこと」です。

 

人(社員)を増やすことはしませんが、収益を生んでいく不動産への投資はブレずに継続していきます。

 

収益物件を購入するためにお金を貯めるという「志」を持っていると、無駄遣いもしません。

 

見栄を張った寄付もしないし、胡散臭い投資の話にも乗りません。

 

人にお金を貸さないし、高級時計も骨とう品も買う気になりません。

 

どこまで質素倹約すべきかと考えたのですが、本代とファミリーへの投資だけはケチらないと決めたらスッキリしました。

 

でも基本はシンプルライフです。

 

不動産オーナー業は人手がいらないストックビジネスで、不動産にいかに機嫌よく稼いでもらうかがポイントでもあります。

 

バタバタしなくていい分、余った時間をすべて勉強につぎ込みたいと思っています。

 

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テレビをやめて本を読む

本を読まない経営者も多くいて、またその中には非常に経営が上手な人も少なくありません。

 

そんな人でも何故か「本は読むべきものだ」と思っている節があり、「月に何冊本を読んでいますか?」と聞くと、ゼロとは答えにくいようで、お茶を濁されることがよくあります。

 

私が今まで出会った経営者の中で尊敬できる人は、すべて本をよく読まれる方たちばかりでした。

 

これは学歴に関係がなく、中には小学校卒の方もおられたのですが、やはり本をよく読んでいると全体から知的なオーラが感じられました。

 

今は本が売れない時代で、仮に1万冊でも売れればベストセラーの部類に入ります。

 

本が1万冊売れるということは、1万人の人が読むということですが、日本の人口はざっと1億人なので、1万人に1人しかその本を読んでいないということになります。

 

つまり、たった1冊本を読むだけで、1万人が知らないことを知ったことになるわけで、普通に考えても「圧勝」じゃないですか。

 

これが1冊だけでなく、3冊、5冊、10冊、30冊と読んでいけば、どう考えても人生に勝利するしかないのです。

 

本を読むと「情報」、「知識」、「智恵」、「胆力」が得られます。

 

頭への栄養だけでなく、魂にも栄養が行きわたります。

 

仕事が忙しいと、なかなか本を読む時間がないのは事実です。

 

私は夜の3時間を読書タイムと決め、食事が終わるとサッサと書斎に入って本を読みます。

 

それがそんなに難しいことかと言えば、全然そんなことはなく、要はテレビを見る時間に本を読めばいいだけの話です。

 

今はあまりアルコールを飲まないのですが、酒に酔っている時間がモッタイないという気もします。

 

生活をシンプルライフに変えていくと、けっこう時間が生み出されます。

 

その分、読書すれば「コストゼロで大儲け」なのであります。

 

 



 

変化適応業

ハエ取り紙を生産していた会社があります。

 

ハエ取り紙なんて昭和前半の遺物のようなもので、今では目にすることもありません。

 

その会社がマスキングシート製造で復活し、大躍進中です。

 

新商品のマスキングシートに至るまでには、途中、ハエ取り紙の技術を活かし、工事現場で使用する養生テープなどを生産していたのですが、それとは全く違う市場に進出し、大きな成功を収めました。

 

顧客だって「職人」から「女性」へと変わるのです。

 

経営を「環境変化適応業」だと喝破した名経営者がいますが、変化する時代と市場に「わが社」を合わせていかないと、あっという間に消え去る運命にあると言っても過言ではありません。

 

自社の持てる技術を応用し、違う市場に進出する工夫と努力は、どうしても必要になってきます。

 

デジカメの普及でフィルムがいらなくなりましたが、コダックは倒産し、富士フイルムは医療業界への進出を果たし、隆々としています。

 

フィルム製造で培(つちか)った技術を薬品製造に応用したり、あるいは薬品会社をM&Aしたりし、新しい市場に着々と手を打っています。

 

日立造船という会社は「造船」という名前がつているものの、もう船は作らず、陸に上がり、焼却炉やプラントを製造しています。

 

「造船」に固執していたら、悪戦苦闘の連続だったかもしれません。

 

商品的に市場の変化についていけない老舗企業(創業100年以上)の場合は、不動産オーナー業に移行していることが多いようです。

 

かつて儲かった時代の資金でビル賃貸業に変身していたり、かつての工場跡地に賃貸マンションを建てたりしています。

 

ツノダ自転車という会社は、かつては上場企業で、メインの自転車製造から手を引いたあと、工場跡地を活用した不動産業を営んでいました。

 

会社四季報」で調べると、財務内容のいい優良企業だったのですが、従業員がたったの5名だったことにビックリした覚えがあります。

 

 

創業75年

今年は当社にとって創業75年目になります。

 

とりあえず創業100年までは頑張って働こうと思っています。

 

西暦2045年、私は93歳になっています。

 

私は2代目で、父の代は土木建設業だったのですが、私の代で不動産業に変わりました。

 

3代目、もっと言うなら4代目もいるのですが、彼らの代で会社がどう変身していくのかはわかりませんが、楽しみにしています。

 

「最も強いものが生き残るのではなく(環境に合わせて)最も変化したものが生き残る」というのは進化論のエッセンスでもありますが、時代に合わせてうまく変身していって欲しいと願っています。

 

父の代に一番多くの人たちが働いていたわけですが、私の代での社員数が一番多かった時で、父の時代の3分の1。

 

今はそこからもう10分の1ほどの規模になり、目立つことなく細々と事業を続けています。

 

会社にはいろいろな行き先があり「上場する」というのもあるし、うまく「廃業する」という手もあります(廃業と倒産とは別です)。

 

もう一つオーソドックスですが「長く続ける」というのもあり、多分これが一番幸せな行き方ではないかと思います。

 

少なくとも私の代では今後「不動産オーナー業」をやっていくつもりで、「お金を貯めて、コツコツと収益物件を増やしていく」方針です。

 

私も長い間(45年以上)不動産業に従事していますが、不動産の市況の変化をいくつも目にしてきました。

 

まさに「潮目が変わった」というポイントがあり、そのポイントを逃すと、そのあとは人力でいくら頑張っても、もうその勢いに抗(あらが)うことはできない体験をいくつもしてきました。

 

従って常に勉強し、人の話も聞き、アンテナをいつも高く掲げておかねばならないわけです。

 

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クルマ旅たびたび

高級ホテルにはそれなりの価値があり、基本的にはできるだけ良いホテルに泊まりたいと思っています。

 

しかしながら地方の街には高級シティホテルなどがない場合が多く、次善の策として、チェーン展開しているビジネスホテルを利用することがあります。

 

最近はネットでしか予約できないホテルも出てきました。

 

ケータイが普及しているので、部屋に電話が設置されていないホテルも少なくありません。

 

電話どころかレストランもないホテルすらあり、それはそれで合理的です。

 

そのかわり平面の駐車場がタップリ取られ、私のようなクルマ旅の人間にとっては非常に有難いのです。

 

参拝の旅などに出ると(ホテルはあまりなく)昔からの高級旅館だけがあるという場所もあるのですが、旅館は1人旅にはちょっと使いにくい面があります。

 

フルコースの和食がついていることが少なくないのですが、その味がイマイチだと逃げるところがないといった感じになります。

 

先日、2泊3日の予定で島根方面の「神たび」に出かけたのですが、2日目の午前中ですべての予定を終えることができました。

 

昼からホテルに帰って、シャワーを浴びて熟睡し、夕方チェックアウトを済ませ、そのまま3時間ほどかけて自宅に帰ったことがあります。

 

同じ宿泊料金なんだから、もう1泊したほうがいいという考えもあるでしょうが、私自身は「少しでも早く帰った方が時間が『得』」という気持ちです。

 

クルマ旅の場合は、移動を電車や飛行機に頼らなくてもいいので、こういった点が実に自由自在です。

 

来年から神社めぐりに加え、歴史的遺跡や博物館、あるいは美術館を積極的に回っていく予定です。

 

当然ブログにも載せていきます。 乞うご期待。

 

現実と妄想

物事を成し遂げる力は「やる気の継続」に尽きると思います。

 

ヤル気をなくした時点でアウトとなるので、いかにモチベーションを上げ、また維持していくかが一番のポイントです。

 

嫌なことをやるのは物凄くエネルギーがいるのですが、好きなことならホイホイやっていけます。

 

「仕事だから嫌なこともやらないといけない」というのも一つの真実ですが、そもそも嫌なことを職業にすること自体が間違っているような気もします。

 

今の私の「不動産オーナー業」で「小さな会社の社長」というポジションは、仕事がシンプルで、人間関係のストレスもなく、かなり気に入っています。

 

が、ここに至るまで、相当遠回りをしてきたように思います。

 

もし自分が大学卒業時に戻ったらどうするだろうかと妄想することがあります。

 

まずは大手の不動産販売会社に入社し、不動産の仕組みを覚え、不動産営業の人脈を築きたいと思います。

 

その後、独立して不動産営業会社をこしらえるのではなく、最初から不動産オーナー業として、コツコツと収益物件を増やしていく方向を歩むと思うのです。

 

視野を広め、人間を大きくするのは「本」、「旅」、「人」なので、それらに対する投資は怠らないはずです。

 

と、ここまで考え「なんだ、それなら今と一緒じゃないか」と思ったのですが、妄想のようにやっていたら、たぶん今の倍の資産を保有していたのではないかという気がします。

 

私は「会社は大きくしなければならない」という間違った思い込みを持ってしまったがため、長い間苦労を重ね、大きな寄り道をしてしまいました。

 

が、過去はもう取り戻せないので、今からの30年間で理想のビジネス生活を目指そうと思っています。

 

それが「95歳までバリバリの現役で頑張る」の根拠でもあります。