兆候を見逃さない

ある投資の案件があるとします。

できる限りの調査はするにしても、その投資をすべきなのか、あるいはパスすべきなのかは、正直なところ誰にも分からないことだと思うのです。

いいと思って資金を投入しても、その後の好不況の波もあるし、そもそもの前提条件自体が時間の経過とともに崩れることだってあるわけです。

まさしく「神のみぞ知る」世界。

ならば神さまに聞いてみるのも一つの手ではないかと思うのです。

神さまから直接のご返事はいただけないにしても、何らかの兆候というのがあるはずです。

例えば私自身の経験則なのですが「遅刻する営業マンからモノを買ってはならない」というのがあります。

遅刻する営業マンからモノを買って、今までロクなことがありませんでした(中には数百万円のものもありました)。

「遅刻」という現象の中に「その案件を進めてはならない」という天からのメッセージが込められているのだと思うのです。

私自身が遅刻するということはまずないのですが、わりと最近の話でこんなことがありました。

ある東京の新築マンションの購入を検討していた際、内覧のため先方の営業担当者と現地で待ち合わせしていました。

私のことだから30分前に現地に到着し、時間があるので周辺を探索することにしました。

すると、あらぬことか道に迷って、肝心の約束の時間に間に合わなかったのです。

「やめておきなさい」という天からのメッセージの中には、相手の遅刻だけでなく、自分の遅刻も入っていたとは思いもしませんでした。

先方の営業担当の方には申し訳なかったのですが、そのマンションは購入しませんでした。

天変地異にはその兆候が必ずあるし、バブル崩壊だって、今から思えばいくつもその兆候があったのです。

心をクリアにし、そういった兆候を見逃さないようにしていきたいものです。

 

好きなことしかしない

「好き嫌いで物事を判断してはいけない」というのは、ごく真っ当な意見だし、私もずっとそう思い込んできました。

が、本当にそれが正しいのかどうかがよく分からなくなってきました。

今の私なら「好きなことしかしない」、あるいは「嫌いなことは一切しない」と断言できるからです。

私自身が年齢を重ねてきたからかもしれないし、時代がそういった方向に向かっているからかもしれません。

「仕事なんだから、嫌なことも我慢すべきだ」というのも、ひょっとしたら思い込みの一つなのかもしれません。

人が嫌がることを我慢してやり抜いてこそ、仕事に厚みが増すし、自分も成長できるのは間違いがありません。

が、これも今の私なら、そもそもイヤな仕事に就くこと自体が、最初から間違っているという感覚なのです。

あれだけ頑張った30代をちょっぴり誉めてやりたい気もしますが、随分と時間も体力も浪費したことも確かです。

家庭を顧(かえり)みることもなく、いったい何のために働いてきたのか、今となってはちょっとよく分かりません。

30代の頃の私の手帳は予定で真っ黒でした。

しかしながら、間違った努力も相当してきたように思います。

66歳の私は30代の自分よりも年収も資産も多いし、健康体という意味では、3ランクくらい上の感じがします。

頭も今の方が圧倒的にいいという自覚もあります。

「好き嫌いで仕事をしない」30代の私よりも、「好きなことしかしない」60代の私の方が、すべての面で圧勝しているのは不思議だし、そうなると30代の私があまりにもかわいそうな気がしてくるのです。

 

手持ちのキャッシュを分厚くする

不動産(賃貸)オーナー業の場合、一番大事なことは資金繰りのバランスではないかと思います。

1989年をピークとする昭和末期のバブルのときに、私は多額の借入れを行っており、死ぬ思いでそのピンチを切り抜けました。

以降、一切借入れすることなく、無借金できています。

株を借金して買うなんてことはリスクが大きすぎて、さすがに誰もがおかしいと思うわけです。

なのに不動産の場合は借入れして投資用物件を購入するのが当たり前のように行われています。

スルガ銀行などは、そんな個人投資家たちを支える拠り所となっていました。

一度、そういった人たちが集まる「大家の会」(のような会合)に参加したことがあるのですが、その会が発する「貧乏波動」に耐えきれず、逃げ帰った覚えがあります。

斎藤一人さんいわく、そういった人たちは「お金持ち」ではなく「借金持ち」なのだそうです。

不動産オーナー業をしていると、比較的安定した収入が入ってくるのですが、それに気を良くして散財していると破たんが待っています。

まずは税金が払えません。

また思った以上に修繕費やリフォーム代がかかってきます。

10年に1度は大規模補修も必要です。

私も今、古くなった戸建てを建て替えるプランがあり、建築費のことは当然考えていましたが、解体費のことをスッカリ忘れていました。

長い間、新築を建てることがなかったので、何かと要領が悪く、また思った以上に建築費や諸費用が高くなっていることに驚いています。

経済の方向は明らかに下降に向かっているし、不動産市況でも一度クラッシュが来るかもしれません。

今はキャッシュの蓄積を分厚くし、買いやすくなったところで(キャッシュで)買うのが賢明なのかもしれません。

 

目に見えないパワー

斎藤一人さんにとって神社めぐりは「レジャー」とのこと。

もっと気楽に神社めぐりをしていいのかもしれません。

神道にハマっているので、お寺に行く暇があるなら神社を訪問したいと思っています。

神社には必ず主なるご祭神が祭られ、そのご祭神に関連する神様も何柱(神さまは何人とは数えず「柱」を使います)かがお祭りされています。

しかしやはり同系統の神々のみが祭られ、例えば大和系と出雲系の神様が一緒に祭られているケースはほとんどないように思います。

古事記関連の本はよく読んでいるので、ご祭神のお名前を聞くと、どんな神様なのかはすぐに分かります。

従って神社めぐりが余計に面白くなります。

(畏れながら)そんなにポピュラーでない神様のお社を見つけるとうれしくなります。

出雲大社の大鳥居をくぐると、すぐにお祓(はら)いのためのお社(やしろ)が右手にあるのですが、そこに瀬織津姫(せおりつひめ)が祭られていることを知り、ビックリした覚えがあります。

京都の貴船神社を訪問した時は、石長姫(イワナガひめ)のお社を発見し、これまた相当ビックリしました。

少彦名命スクナヒコナのみこと)のお社も多くないのですが、巡り合った時、すごく親近感が湧くのが不思議です。

短い人生なのだから、もう遠慮せずにどんどん神社めぐりをしていこうと思います。

松下幸之助出光佐三のような経済的成功者は、神社に多くの寄進をしてきました。

時たま新聞で名前を見かける経営者や投資家も、神社にコソッと多額の寄進をしていることを知っています。

世の中には会社も繁栄し、家族も健康で仲良く暮らしている人たちがいます。

その人たちの自宅や会社には、やっぱり神棚が祀られているのです。

目に見えないパワーに物心両面で助けてもらわないと、いい人生になりにくいというのも、また事実だと思うのです。

 

30年間の至福

これから30年間毎日続けるルーティンワークの形がデキつつあります。

13時間の読書タイムを取っているのですが、これが威力を発揮してきた感があります。

知識も情報も智恵も胆力もすべて読書から得ることができます。

仮に読書が(実行や応用につながらない)読書のままで終わったとしても、そう悔いのない人生だと思っています。

1か月ほど前から始めた「階段トレーニング」も予想以上のスグレモノでした。

その際決めたのが「数を増やそうとしない」と「速く動こうとしない」の2つ。

余計なことを考えなくていいので「歩く瞑想」と言ってもいい状態で、これは(いい意味での)想定外でした。

11時間の語学も、ここに来て力を発揮してきました。

フェイスブックでドイツの人とつながり、ドイツ語でやり取りしたのですが、サクサクと思うとおりに文を書いていくことができて面白かったのです。

上記に書いた「読書」、「運動」、「語学」の3つで5時間かかります。

アメリカ人が書いた本の中に、ウソかホントか知りませんが「平均的アメリカ人はスマホ14時間、テレビに14時間使っている」と書いてありました。

私はスマホもテレビも消費時間ゼロなので、その分余裕が出てくるはずです(ついでに言うと通勤時間も3分です)。

サラリーマンだと完全定年の年になっているので、もう好きなことしかしないと決めました。

読書も運動も語学もワクワクすることばかりで、これが今から30年間続けることができるのは、世界最高級の至福の人生そのものではないかと思います。

 

キャッシュを積んでいく

私は22歳の時から今日まで40数年間、不動産業に従事しています。

分譲営業や仲介業や賃貸業に携わってきたのですが、今は不動産オーナー業がメインのビジネスになっています。

若い頃は汗水たらして働いたり、いくつかの不動産事業を立ち上げたりしたのですが、不動産オーナー業というのは「不動産スゴロク」の「上がり」のような位置ではないかと、個人的には感じています。

自分が働かなくても不動産が稼いでくれるという、究極の不労所得とも言えそうです。

ただ、そこに行くまでが大変で、一部の不動産投資家のように借金を重ねて不動産を購入していくというやり方にはどうしても馴染めません。

「不動産投資は自己資金でやるべき」と喝破した人がいましたが、私もその意見に限りなく賛成です。

不動産オーナー業をしていると、どんどんお金が出ていく時期があります。

税金であったり、リフォームや修理や建て替えであったり、あるいは想定外の災害への支払いなどが、けっこう集中して出てくることがあるのです。

そういう時にスッと支払えるキャッシュを持っていないと、たちまち資金繰りに窮します。

だから普段入ってくる家賃などの収入に気を良くして、派手な生活をしていてはダメなのです。

ある人がテナントビルと賃貸マンションを所有しているのですが、大規模修繕の時期が来たのに、それに対応するキャッシュがなく、銀行からの全額借入れで修繕費を賄(まかな)いました。

20年間も不動産オーナー業をしているのに、その間の家賃は一体どこへ消えてしまったのでしょう?

手持ちのキャッシュをコツコツと積み上げていくというのは、不動産オーナーにとって極めて大事な仕事でもあります。

積み上げたキャッシュで、新しい収益物件を買えることだってあるのですから。

 

「賃貸オーナー業」と「一人建売屋」

一口で不動産業と言っても、さまざまな業種があります。

大きく分けると、分譲、仲介、管理、賃貸の4つです。

それぞれの業種に従事するプレーヤーの気質も違っているように感じます。

分譲は「建売り」や「マンション分譲」などがあるのですが、ストックビジネスとは正反対のところに位置し、買ったり売ったりの繰り返しになります。

物件を途切れなく仕入れること自体が難しいし、また市況の波をモロに被(かぶ)るのもこの業種です。

マンション供給量ナンバーワンになった会社が、数年後に倒産した例がいくつもあります。

仲介は不動産営業の花形ですが、売買仲介や賃貸仲介があり、全国展開している大手はそのいずれかに特化しています。

居住用住宅や収益物件など、それぞれに専門があり、また地域に特化するという方法もあります(例として「街の不動産屋さん」)。

管理業はアパートや賃貸マンションやビルなどの管理を行います。

繰り返し業務を行うストックビジネスで、不況でも生き残るのはこの業種です。

賃貸業というのは賃貸(不動産)オーナー業のことで、大家さんやビルオーナーが該当します。

日本一の賃貸オーナーは三菱地所で間違いないでしょう。

分譲業では、営業マンを数多く雇い、借入れが大きく、物件仕入れの目標などを設定していると、破たんする確率が高いのですが、いい物件と出会った時だけポツンポツンと仕事する「一人建売屋」や「一人転売屋」であれば、案外息長く生存できそうです。

が、収益性や安定性の面ではイマイチなので、一方で不動産オーナー業を営み、日々の安定した収入はそこから得ておく必要があるかもしれません。